Mac M1を購入して初めて気づいた――旧VMware Fusion(Intelバージョン)は動作しない。これは多くのユーザーが直面する問題だ。Parallels Desktopは使えるものの年間約$100かかる。朗報:2023年11月より、VMware Fusion ProはPersonal Useが無料になり、Apple Siliconを完全サポートするようになった。この記事ではインストールから実際の使い方まで直接解説する。
クイックスタート:Mac M1/M2/M3にVMware Fusionを5分でインストール
ステップ1:VMware Fusionのダウンロード
Broadcom(VMwareを買収)はダウンロードにアカウントが必要。support.broadcom.comで無料作成できる:
- support.broadcom.comでアカウントを登録
- VMware Cloud Foundation → My Downloadsへ移動
- VMware Fusionを検索 → 最新の13.xバージョンを選択
VMware-Fusion-13.x.x-xxxxx_universal.dmgファイルをダウンロード
ステップ2:インストールと無料アクティベーション
# .dmgファイルをダウンロードしたら:
# 1. .dmgファイルをダブルクリックしてマウント
# 2. VMware FusionをApplicationsフォルダにドラッグ
# 3. VMware Fusionを開く
# 4. "Use VMware Fusion 13 for Personal Use"を選択
# → ライセンスキーの入力は不要!
ステップ3:最初のUbuntu ARM VMを作成
Ubuntu 22.04のARM64版ISOをダウンロード(Apple Silicon専用):
# Ubuntu 22.04 LTS ARM64をダウンロード
curl -L -o ubuntu-22.04-arm64.iso \
"https://releases.ubuntu.com/22.04/ubuntu-22.04.4-live-server-arm64.iso"
# ファイルサイズは約1.4GB
VMware Fusionで:Cmd+Nを押す → ISOファイルをドラッグ&ドロップ → VMwareが自動的にUbuntu 64-bit ARMを認識 → 4GB RAM、40GB diskを設定 → Finishをクリック。ARM-to-ARMなのでx86エミュレーション不要、約10分でインストール完了、すぐにスムーズに動作する。
なぜParallels DesktopではなくVMware Fusionなのか?
VMware FusionがApple Siliconをサポートする前は、約2年間Parallels Desktopを使っていた。両方を実際に使った上での比較:
- コスト:Parallels 約$99.99/年。VMware Fusion Pro:個人・学生は無料
- Linux ARMのパフォーマンス:互角 — 両方ともネイティブに近い
- Windows ARM:ParallelsはブートスピードとmacOS統合(コピー&ペースト、Retinaスケーリング)がやや優れている
- 機能:VMware Fusionの無料版でもスナップショット、クローン、カスタムネットワークが完全に利用可能
- エコシステム:VMware Fusionの
.vmdkファイルはLinux/Windows上のVMware WorkstationやESXiと互換性あり — サーバーへのVM移行が容易
結論:Windowsゲームの実行やmacOS UIとの深い統合が不要であれば、コスト面でVMware Fusionの無料版が圧倒的に合理的な選択肢だ。
正しいインストールのためにARMアーキテクチャを理解する
動作するVMと動作しないVM
Mac M1/M2/M3はARM64(AArch64)アーキテクチャを採用している。Apple Silicon上のVMware Fusionはx86/x64 VMを実行できない — エミュレーションはない。ARMバージョンが存在するOSのみ動作する:
- ✅ Ubuntu 22.04/24.04 ARM64
- ✅ Debian 12 ARM64
- ✅ Fedora 39+ aarch64
- ✅ Windows 11 ARM(Microsoftから直接ダウンロード)
- ✅ macOS Ventura/Sonoma(VM内VM — 主にテスト用)
- ❌ CentOS 7/8 x86_64(公式ARMバージョンなし)
- ❌ Windows 10 x86_64
Windows 11 ARMのインストール — 最速の方法
VMware Fusion 13はWindows 11 ARMを自動ダウンロードできるため、ISOを探す必要がない:
# VMware Fusionで:
# File → New → Get Windows from Microsoft
# → "Windows 11 ARM"を選択
# → VMwareが自動的にダウンロード&インストール(約10GB)
# ネット速度によって全工程20〜30分程度かかる
高度な設定
Ubuntu ARMにVMware Toolsをインストール
# Ubuntu ARMには公式リポジトリにopen-vm-toolsが含まれている
sudo apt update && sudo apt install -y open-vm-tools open-vm-tools-desktop
# 変更を適用するために再起動
sudo reboot
# 再起動後に確認
vmware-toolsd --version
Shared Folder — MacとVMのフォルダ共有
# VMware Toolsインストール後、共有フォルダは/mnt/hgfs/にマウントされる
ls /mnt/hgfs/
# 表示されない場合は手動でマウント:
sudo vmhgfs-fuse .host:/ /mnt/hgfs/ -o allow_other -o uid=1000
# 再起動時に自動マウントするため/etc/fstabに追加:
.host:/ /mnt/hgfs fuse.vmhgfs-fuse allow_other,uid=1000 0 0
推奨リソース設定
# 設定変更前にVMをシャットダウン:Virtual Machine → Settings → Processors & Memory
# Ubuntu Server(CLIのみ): 2 CPU、2GB RAM、20GB disk
# Ubuntu Desktop: 4 CPU、4GB RAM、40GB disk
# Windows 11 ARM: 4 CPU、8GB RAM、64GB disk(最低4GB RAM必要)
実際の使用経験から得たTips
個人ラボでVMwareからProxmoxへ移行した際、多くの興味深い違いを発見した――しかしMac M1ではProxmoxを直接実行する手段がない。VMware FusionはDevワークフローの日常ツールとして今も活躍している。実際の使用から得たTipsをまとめた:
vmrunでTerminalからVMを操作 — 毎回VMware Fusion GUIを起動する必要がない:
# ~/.zshrcにエイリアスを追加:
alias vmrun='/Applications/VMware\ Fusion.app/Contents/Public/vmrun'
# バックグラウンドでVMを起動(nogui):
vmrun start ~/Virtual\ Machines.localized/Ubuntu22.vmwarevm/Ubuntu22.vmx nogui
# VMを停止:
vmrun stop ~/Virtual\ Machines.localized/Ubuntu22.vmwarevm/Ubuntu22.vmx
# 実行中のVM一覧を表示:
vmrun list
# Terminalから素早くスナップショットを作成:
vmrun snapshot ~/Virtual\ Machines.localized/Ubuntu22.vmwarevm/Ubuntu22.vmx "BeforeTest"
DesktopではなくUbuntu Serverを使う:はるかに軽量で、Mac TerminalからSSH接続で十分。VM内でフロントエンドを直接テストする場合を除き、GUIは不要。
すべての実験前にスナップショットを取る:不明なパッケージのインストール、ネットワーク設定変更、システムスクリプトのテスト → まずスナップショット。問題が起きても30秒でロールバックできる。
VMが多い場合は外付けSSDを使う:MacBook Air M1/M2は通常256〜512GBしかない。40GB × 4個のVMで容量が尽きる。USB-C接続の外付けNVMe SSD(約$60)でこの問題を解決でき、VMware Fusionは問題なく認識して動作する。
実際のパフォーマンス
MacBook Air M2 16GBでUbuntu 22.04 ARM(4 CPU、4GB RAM)を使った簡単なベンチマーク:
# sysbenchでCPUベンチマーク:
sysbench cpu --threads=4 run
# 毎秒イベント数:約8200(ネイティブ約9100 — 約90%のパフォーマンスを達成)
# ディスクI/O:
dd if=/dev/zero of=/tmp/testfile bs=1M count=1024 oflag=direct
# 結果:約1.1 GB/s
# (M2 SSDネイティブは約3GB/sだが、Dockerビルド、devサーバーには十分)
VM内での90% CPUパフォーマンスは非常に優秀な数値だ。Dockerイメージのビルド、Node.js/Pythonサーバーの実行、Kubernetesシングルノード(k3s)のテストを日常業務で行っても、目立ったラグは感じられない。

